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オールオン4を検討されている方から、費用や期間の話が済んだあとに必ず出てくるのが「当日はどんな一日になるのですか」というご質問です。片顎すべての歯を支える治療と聞くと、どれだけ大がかりなものか想像がつかないのだと思います。
結論から言えば、朝に来院して、その日のうちにご自宅へ帰っていただきます。入院は必要ありません。この記事では、受付から帰宅までを時系列でご説明し、あわせて「その日に歯が入るのか」「痛みはどうなるのか」という2つの疑問にお答えします。
治療そのものの仕組みや費用はオールオン4とはに、治療後のお手入れはオールオン4のメンテナンスにまとめています。この記事は、その間にある「手術の一日」を開いたものです。
この記事のポイント
- 入院は不要。朝に来院し、その日のうちに帰宅していただきます
- 手術そのものは片顎でおおむね2〜3時間。前後の準備と休憩を含めて半日ほどみてください
- 条件が合えば、その日のうちに仮歯が入ります。硬いものを噛む段階ではありません
- 麻酔は表面麻酔から始め、効いたことを確認してから進めます。処置中は声をかけながら行います
- 費用は片顎300万円〜400万円(税込・自由診療)、通院は6〜8回程度が目安です
当日の流れ|受付から帰宅まで
時間はあくまで目安です。本数や骨の状態によって前後します。
来院・体調の確認(30分ほど)
まず体調をうかがいます。前日の睡眠や食事、服用されたお薬も確認します。気になることがあれば、このときにお聞かせください。
治療計画のご説明は、手術日より前のカウンセリングで済ませています。どこに何本埋入するか、仮歯がその日に入る見込みかは、CT画像をご覧いただきながら事前にお伝えしています。当日は改めての説明は行わず、体調の確認を終えたら準備に入ります。
お手洗いを済ませていただき、手術室へ移動します。

麻酔(20〜30分ほど)
いきなり注射はしません。まず歯ぐきの表面に塗るタイプの麻酔を使い、針が入る瞬間の刺激を和らげます。そのうえで局所麻酔を行います。
注射そのものの負担を減らすため、当院では細い針を使い、麻酔液は体温に近づけて温めています。電動注射器も用意しており、必要に応じて使用します。針の刺激・注入時の圧・温度差という、痛みの原因それぞれに対応する形です。
麻酔が十分に効いたことを確認してから、処置に入ります。効き方には個人差があるため、待つ時間はその方に合わせます。
手術(片顎でおおむね2〜3時間)
残っている歯を抜く必要がある場合は、まず抜歯を行います。そのうえで、CTデータから作成したサージカルガイドを用い、計画した位置・角度・深さに人工歯根を埋入します。オールオン4は、最小4本で片顎全体を支える設計です。
処置の間は、いま何をしているのか、あとどのくらいで終わるのかを声に出してお伝えしながら進めます。お顔にはタオルをかけるため、視界がふさがれたまま器具の音だけが聞こえている時間は、それだけで長く感じられるためです。痛みや違和感があれば、いつでも手を挙げて知らせていただけるようお願いしています。合図があればすぐに手を止め、麻酔を追加するか、休憩を挟んでから再開します。

仮歯の装着(1〜2時間ほど)
埋入した人工歯根が十分に安定していれば、その日のうちに仮歯を装着します。噛み合わせを調整し、話しやすさも確認します。
休憩・ご説明・帰宅
止血を確認し、術後の過ごし方と薬の飲み方をご説明してからお帰りいただきます。車の運転は避けてください。可能であればご家族の送迎をお願いしています。
全体として、来院から帰宅まで半日ほどとお考えください。
「その日に歯が入る」とは、どこまでのことか
当日に入るのは仮歯で、最終的な人工歯ではありません。ここは誤解が生まれやすい部分なので、はっきりお伝えしています。
仮歯の役割は、見た目と発音、そして日常生活の最低限の機能を取り戻すことです。硬いものをしっかり噛むための強度は持たせていません。人工歯根が骨と結合するまでの数か月は、柔らかいものを続けて召し上がっていただきます。
また、仮歯が入るかどうかは、埋入した人工歯根がその場でどれだけ安定しているかで決まります。骨の状態によっては、結合を待ってから進める判断をすることもあります。計画の段階では「入る見込み」としてお伝えし、当日の状態で最終的に判断します。
当日に決まること・決まらないこと
決まるのは、人工歯根の位置と本数、そして仮歯が入るかどうかです。決まらないのは、最終的な人工歯の色や形の細部で、こちらは結合を待ったあとに、仮歯で使い心地を確かめながら調整していきます。「当日にすべてが完成する」治療ではありません。
術後の過ごし方|当日から1週間
| 時期 | 起こりうること | お願いしたいこと |
|---|---|---|
| 当日 | 麻酔が切れて鈍い痛みが出はじめる | 痛み止めを早めに飲む。安静にする。飲酒・喫煙は控える。シャワーは当日から問題ありません |
| 2〜3日目 | 腫れや内出血のピーク | 柔らかい食事。処方薬を飲み切る。強いうがいは避ける |
| 1週間ほど | 徐々に落ち着いてくる | 仮歯で硬いものを噛まない |
腫れが日ごとに強くなる、痛みが増していく、仮歯がぐらつくといった変化があれば、予約日を待たずにご連絡ください。痛みの経過についてさらに詳しくはインプラントは痛い・怖い?でご説明しています。

仮歯で過ごす数か月|何に気をつけるか
手術が終わってからの数か月は、人工歯根と骨が結合するのを待つ期間です。この間は仮歯で生活していただきます。見た目と発音は戻っていますが、強度は最終的な人工歯とは別物だとお考えください。
食事は、結合を待つ数か月のあいだ、柔らかいものを続けていただきます。痛みが落ち着いたあとも、普通の食事に戻していくことはお勧めしていません。仮歯は見た目と発音を補うためのもので、硬いものを噛む強度は持たせていないためです。フランスパン、おせんべい、氷、キャラメルのようなものは、仮歯が欠けたり外れたりする原因になります。
清掃も大切です。仮歯と歯ぐきの境目は汚れが残りやすく、炎症が起きると結合に影響します。ただし、仮歯の期間は歯間ブラシやフロスは使いません。器具が引っかかって仮歯が外れてしまうことが、この時期にもっとも避けたいことだからです。歯ブラシでやさしく磨いていただく範囲で十分です。清掃の方法は、仮歯が入った日にお伝えします。
仮歯が外れた、欠けた、ぐらつくといった場合は、そのままにせずご連絡ください。放置すると噛み合わせが変わり、埋入した人工歯根に余計な力がかかります。
この期間が終われば、結合を確認したうえで最終的な人工歯を製作します。仮歯で確かめた形や噛み合わせを反映できるため、仮歯の期間は最終的な仕上がりを決める準備期間でもあります。
当日までに準備していただきたいこと
- 服用中のお薬について、中止や継続の指示をお伝えします。自己判断で止めないでください
- 前日は十分に睡眠をとり、飲酒は控えてください
- 締めつけの少ない服装でお越しください
- 当日の送迎をご家族に頼めるか、事前にご相談ください
- 術後数日は柔らかい食事になるため、買い物を済ませておくと安心です
持病のある方は、かかりつけの先生と連携したうえで手術日を決めます。糖尿病の管理状況や、骨粗しょう症・抗血栓薬の服用は、進め方に関わりますので必ずお知らせください。
費用・期間・リスクについて(自由診療)
オールオン4に関する費用・期間・通院回数・リスク
- 自由診療である旨:オールオン4は公的医療保険が適用されない自由診療です(治療後の定期メンテナンスは保険診療の範囲で行います)
- 治療内容:最小4本のインプラントを顎の骨に埋入し、その上に片顎全体の固定式の人工歯を装着します。条件が合えば当日に仮歯を装着します
- 標準的な費用:当院では片顎あたり300万円〜400万円(税込)です。使用する人工歯の素材、本数、骨の状態によって異なります
- 治療期間・通院回数の目安:精密検査・診断から最終的な人工歯の装着まで、おおむね3〜6か月、通院は6〜8回程度です(骨の状態により変わります)
- 治療後の通院:半年に一度(年2回)の定期メンテナンス。保険診療の範囲で行い、3割負担の方で1回あたり数千円程度です
- 保証:10年以内は100%保証(再手術・代替治療の費用はいただきません)、11年目以降は30%の部分保証となり、合わせて20年ロング保証です。半年に一度のメンテナンスの受診が条件です
- 主なリスク・副作用:手術後の痛み・腫れ・内出血、細菌感染、インプラントが骨と結合しない場合があること、噛み合わせの不調、インプラント周囲炎による動揺や脱落、仮歯や人工歯の破損。糖尿病などの全身疾患や喫煙は治癒に影響することがあります。骨や全身の状態によっては適応外となるケースもあります
よくある質問
Q. 入院は必要ですか?
A. 必要ありません。朝に来院いただき、その日のうちにご帰宅いただきます。ただし当日は安静に過ごしていただき、運転は避けてください。
Q. 手術は何時間かかりますか?
A. 片顎でおおむね2〜3時間です。抜歯を伴う場合や仮歯の調整を含めると、来院から帰宅まで半日ほどとお考えください。
Q. 手術中に痛みを感じませんか?
A. 麻酔が効いた状態で行うため、押される感覚や振動は伝わりますが、鋭い痛みとして自覚することは多くありません。途中で痛みを感じられた場合は、その場で麻酔を追加して再開します。
Q. 当日から普通に食事ができますか?
A. 仮歯が入った場合でも、硬いものを噛む段階ではありません。結合を待つ数か月は、柔らかいものを続けていただきます。
Q. 当日に仮歯が入らないこともありますか?
A. あります。埋入した人工歯根の安定が不十分な場合は、結合を待ってから進める判断をします。その可能性も含めて事前にご説明します。
Q. 付き添いは必要ですか?
A. 必須ではありませんが、送迎をお願いできる方がいると安心です。術後は安静が必要で、運転も避けていただきます。
まとめ
- 入院は不要。朝に来院し、その日のうちに帰宅する治療です
- 手術そのものは片顎で2〜3時間、来院から帰宅まで半日ほど
- 条件が合えば当日に仮歯が入るが、硬いものを噛む段階ではない
- 麻酔は効いたことを確認してから開始し、処置中は声をかけながら進めます
- 費用は片顎300万円〜400万円(税込)、通院6〜8回程度が目安
当日の流れが見えていれば、不安はかなり小さくなります。カウンセリングとCT撮影までは無料ですので、まずはご自身の骨の状態と計画を見るところから始めてください。

監修:八木 龍
聖護院やぎ歯科・矯正歯科 院長
OSSTEM IMPLANT 公認ディレクター / 国際口腔インプラント学会 所属 / 抜歯即時埋入・審美領域のインプラントに対応 / 全国の歯科医師向けにインプラント講師
広島大学歯学部を卒業後、大阪市の歯科医院インプラントセンターで副院長を務め、2020年に聖護院やぎ歯科・矯正歯科を開院。抜歯即時埋入や審美領域の難症例を含むインプラント治療に取り組み、診査・診断にもとづいて、身体的・経済的なご負担に配慮した治療計画を大切にしています。




