中高年は、歯の根にご用心!
一生の間にはむし歯にかかりやすい時期が3度ありますが、中高年世代もその一つです。中高年では、歯の付け根あたりにできる『根面う蝕』というむし歯が多発します。
平成17年度「歯科疾患実態調査」の結果では、幼児から若年層でおおむね減少しているむし歯が、35歳以上の年齢層では増えていると報告されています。
中高年に根面う蝕が多い理由は…
■象牙質・セメント質は酸に弱い
加齢による影響や歯周病の進行によって、中高年層では歯肉が痩せて歯の根が露出してきます。
この歯根部分は歯冠部分より酸に弱く、それだけむし歯になりやすいのです。
●エナメル質は、pH5.5以下で溶け出します。
●象牙質とセメント質は、pH6.2程度で溶け出します。
■唾液の分泌量が減少
唾液には、私たちのお口の中をきれいにし細菌の繁殖を防ぐなど、むし歯から私たちを守ってくれる働きがあります。ところが加齢とともに唾液の分泌量は減少し、お口の環境を良好に守る力が衰えてきます。
■お手入れが不足
仕事で忙しい中高年世代は、家庭でのホームケアや歯科医院での定期的なお手入れなどが不十分になりがちです。お手入れ不足によってプラークや歯石が溜まり、むし歯になる条件をつくってしまいます。
■不規則な飲食
口寂しさからアメや清涼飲料水、ジュース類などを頻繁に口にしている方がいます。これらの食品は、むし歯の原因である砂糖成分を含んでいることが多く、むし歯になる危険度が高まります。