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 聖護院やぎ歯科・矯正歯科

奥歯を1本失ったとき|放置のリスクとインプラント・ブリッジ・入れ歯

奥歯を1本失ったとき|放置のリスクとインプラント・ブリッジ・入れ歯|インプラント専門サイト|京大病院近くの歯医者|聖護院やぎ歯科・矯正歯科|京大病院・神宮丸太町駅

奥歯を1本失っても、反対側で噛めば食事はなんとかできますし、口を開けても人からは見えにくい場所です。そのため、「困っていないから、しばらくこのままでいい」と考える方は少なくありません。実際、奥歯を抜いてから何年も経ってからご相談に来られる方は多くいらっしゃいます。

ただ、奥歯は食べ物をすりつぶす力の多くを担っている場所です。1本の空白が、時間をかけて周りの歯や噛み合わせ全体に影響していくことがあります。一方で、すべての奥歯を必ず補わなければならないわけでもありません。

この記事では、奥歯を1本失ったままにした場合に起きること、インプラント・ブリッジ・部分入れ歯の違い、一番奥の歯を失った場合の考え方、費用と期間の目安までを、京都・聖護院でインプラント治療を担当している立場からご説明します。

この記事のポイント

  • 奥歯を1本失ったままにすると、隣の歯が倒れ込む、噛み合う歯が伸びてくるなど、噛み合わせ全体に影響することがあります
  • 選択肢はインプラント・ブリッジ・部分入れ歯の3つ。分かれ目は「健康な歯に負担をかけるかどうか」です
  • 一番奥の歯を失った場合は、後ろに支えがないため、ブリッジが選べないことがあります
  • 当院の費用は奥歯1本44万円(税込・自由診療)、診査・診断から装着までおおむね数か月〜半年、通院5〜7回程度が目安です

結論:奥歯1本でも、そのままにせず一度は状態を確認してください

先に結論をお伝えすると、奥歯を1本失ったときは、すぐに治療を始めるかどうかは別として、失った場所とその周りの状態を一度確認しておくことをお勧めしています。

理由は、奥歯の空白が引き起こす変化が、痛みもなくゆっくり進むからです。気づいたときには周りの歯が動いてしまい、選べる治療の幅が狭くなっていることがあります。

一方で、失った奥歯の位置や噛み合わせによっては、あえて補わずに経過を見るという判断が合理的な場合もあります。どちらが適しているかは、口の中全体の状態で決まります。「治療を勧められるのでは」と身構えず、判断材料を集めるつもりでご相談ください。

では、奥歯が1本なくなった場所を空けたままにすると、具体的に何が起きるのでしょうか。口の中では、次のような変化が少しずつ進むことがあります。

  • 両隣の歯が、空いたすき間に向かって倒れ込んでくる
  • 噛み合っていた反対側の歯が、支えを失って伸びてくる
  • 歯と歯の間にすき間ができ、食べ物が挟まりやすくなる。むし歯や歯周病のきっかけにもなります
  • 失った側で噛みにくくなり、反対側ばかりで噛む癖がつく。反対側の歯への負担が増えます
  • 歯を支えていた骨が吸収され、幅も高さも痩せていく
歯を失ったままにした場合に起こりうる5つの変化のイメージ図

厄介なのは、これらの変化が後の治療の条件を狭めることです。隣の歯が倒れ込むと、インプラントや人工歯を入れる空間が足りなくなります。反対側の伸びてきた歯は、噛み合わせを整えるために削る必要が出ることもあります。骨が痩せれば、インプラントを入れる前に骨を補う処置が必要になり、治療期間も長くなります。

特に上の奥歯は、骨の上に上顎洞(じょうがくどう)という空洞があり、歯を失ってから時間が経つと骨の高さが足りなくなりやすい場所です。骨が少ない場合の考え方は「骨が少ない」「他院で断られた」方へ|骨造成でインプラントができる場合でご説明しています。

インプラントの構造図

インプラント・ブリッジ・部分入れ歯を比べる

奥歯を1本失ったときの選択肢は、インプラント、ブリッジ、部分入れ歯の3つです。

インプラントブリッジ部分入れ歯
周りの歯削らない両隣を削るバネをかける
噛む力天然の歯に近い比較的しっかり噛める弱くなりやすい
取り外し不要不要毎日必要
一番奥の歯対応できる支えがなく難しい対応できる
保険適用外(自由診療)素材により保険/自由診療素材により保険/自由診療
手術必要不要不要

ブリッジは、失った歯の両隣を削って土台にし、3本つながった被せ物を入れる方法です。固定式で違和感が少なく、治療期間も短く済みます。ただし、健康な歯を2本削ることが前提になり、奥歯は噛む力が大きいため、土台になった歯には長年にわたって負担がかかり続けます。

部分入れ歯は、周りの歯にバネをかけて支えます。削る量はごく小さく、費用も抑えられます。一方で、噛む力が伝わりにくく、毎日の取り外しとお手入れが続きます。1本分の小さな入れ歯は、違和感が気になって使わなくなる方もいらっしゃいます。

インプラントは、失った部分の骨に人工歯根を埋め、その上に人工歯を装着します。周りの歯に手をつけずに済み、奥歯に求められる噛む力を回復しやすい方法です。その代わりに外科手術が必要で、費用と期間はほかの2つより大きくなります。

保険適用のブリッジや部分入れ歯を選ぶことも、十分に合理的な判断です。当院では、インプラントだけをお勧めすることはしていません。3つの治療法の違いはインプラント・ブリッジ・入れ歯の違いでも詳しくご説明しています。

迷われたときの考え方

「今かかる費用」だけでなく、「10年後に健康な歯が何本残っているか」を判断材料に加えてみてください。奥歯のブリッジは土台の歯に負担が集中するため、年月とともに土台の歯を失うことがあり、そのとき失う歯は1本から3本に増えます。インプラントは周りの歯を守りやすい一方で、手術と費用の負担があります。どちらを重く見るかは、年齢や残っている歯の状態によって変わります。

一番奥の歯を失った場合は、事情が変わります

奥歯の中でも、一番奥の歯を失った場合は、考え方が少し変わります。

ブリッジは前後の歯を土台にするため、後ろに歯がない一番奥ではつくれません。そのため、補うとすればインプラントか部分入れ歯のどちらかになります。

一方で、一番奥の歯は、失っても噛む機能への影響が比較的小さい場合があります。噛み合う相手の歯がもともとない場合や、手前の歯でしっかり噛めている場合は、補わずに経過を見るという選択肢もあります。この考え方は短縮歯列とは|奥歯を失っても噛める?残った歯で機能を保つ考え方で詳しく解説しています。

ただし、噛み合う相手の歯が残っている場合は、その歯が伸びてくることがあります。経過を見るなら、定期的に状態を確認していくことが前提になります。

当院が診査で見ていること

奥歯1本のご相談では、CTで骨の幅と高さ、上顎洞や神経までの距離を確認し、口腔内スキャナーで歯並びと噛み合わせを記録したうえで、次の点を検討します。無料相談では、カウンセリングとCT撮影までを費用なしで行っています。

  • 骨の量が足りているか。上の奥歯では、上顎洞までの骨の高さも確認します
  • 隣の歯の状態。すでに大きな被せ物が入っている歯なら、ブリッジの土台にするほうが合理的なこともあります
  • 噛み合う反対側の歯が伸びてきていないか、噛み合わせ全体に偏りがないか
  • 歯ぎしりや食いしばりの癖がないか。奥歯に大きな力がかかる方は、人工歯の設計にも配慮が必要です
院長がタブレットで治療計画を説明している様子

インプラントを選ばれた場合は、CTのデータをもとにサージカルガイド(人工歯根を計画どおりの位置と角度に埋めるための型)を用いた手術に対応しています。骨の状態によっては、歯ぐきを大きく切り開かないフラップレス手術を選べる場合もあります。

院長はOSSTEM IMPLANTの公認ディレクターとして年間400本のインプラント埋入を担当し、全国の歯科医師に向けてインプラント治療の指導も行っています。そのうえで大切にしているのは、できることだけでなく、難しい条件も含めて正直にお伝えすることです。他院で治療方法を提案されている方のセカンドオピニオンもお受けしています。

費用・期間・保証とメンテナンス

インプラントは自由診療です。奥歯1本のインプラントについて、費用・期間・通院回数・リスクをまとめます。

奥歯1本のインプラントに関する費用・期間・通院回数・リスク

  • 自由診療である旨:インプラントは公的医療保険が適用されない自由診療です
  • 治療内容:失った歯の部分の骨に人工歯根を埋入し、骨との結合を待って人工歯を装着します
  • 標準的な費用:当院では1本44万円(税込)です。精密検査・診断、人工歯根、手術、アバットメント、上部構造を含みます。骨の量が不足していて骨造成を併用する場合は、この金額とは別に費用がかかります
  • 治療期間・通院回数の目安:診査・診断から人工歯の装着まで、おおむね数か月〜半年、通院5〜7回程度です。骨造成を併用する場合は、おおむね4〜8か月、通院6〜9回程度になります
  • 保証:10年以内は100%保証(再手術・代替治療の費用はいただきません)、11年目以降は30%の部分保証となり、合わせて20年ロング保証です。半年に一度のメンテナンスの受診が条件です
  • 主なリスク・副作用:手術後の痛み・腫れ・内出血、細菌感染、インプラントが骨と結合しない場合があること、下の奥歯では神経の近くを扱うためしびれが出る可能性があること、上の奥歯では上顎洞に関わる合併症が起きる可能性があること、噛み合わせの不調、インプラント周囲炎による動揺や脱落、人工歯の破損。糖尿病などの全身疾患や喫煙は治癒に影響することがあります。骨や全身の状態によっては適応外となるケースもあります

治療後は、半年に一度(年2回)の定期メンテナンスで、インプラントの周りの歯ぐきや噛み合わせを確認します。定期メンテナンスは保険診療の範囲で行い、3割負担の方で1回あたり数千円程度です。

治療の各段階で何をするのかはインプラント治療の流れ|通院5〜7回の中身と、期間が決まる理由、前歯の場合の違いは前歯を1本失ったとき|インプラント・ブリッジ・入れ歯の選び方でご説明しています。

よくある質問

Q. 奥歯を抜いてから何年も経っています。今からでもインプラントはできますか?

A. 治療は可能です。ただし年月が経つほど骨の吸収が進んでいることが多く、骨造成が必要になる場合があります。まずはCTで現在の骨の状態を確認するところから始めます。

Q. 前歯のインプラントより費用が安いのはなぜですか?

A. 前歯など見た目に関わる部位では、治療中に仮歯を用いるため、その費用が加わって50万円台になります。奥歯は1本44万円(税込)です。

Q. 奥歯のインプラントは、しっかり噛めるようになりますか?

A. 骨と結合したインプラントは、天然の歯に近い感覚で噛めることが多い治療法です。ただし、歯ぎしりや食いしばりが強い方は人工歯に負担がかかるため、夜間のマウスピースなどをお勧めすることがあります。

Q. 手術は痛くないですか?

A. 表面麻酔のあとに局所麻酔を行い、麻酔が効いたことを確認してから処置に入ります。細い針を使い、麻酔液を体温に近づけて温めるなど、注射の痛みを抑える工夫をしています(電動注射器も必要に応じて使用します)。術後は腫れや痛みが出ることがあり、痛み止めでの対応が一般的です。

Q. 保険のブリッジとインプラントで迷っています。

A. どちらにも利点と負担があります。隣の歯の状態、噛み合わせ、ご予算、将来の見通しを含めて比べていただけるよう、それぞれの特徴を具体的にご説明します。

Q. 相談だけでも行って大丈夫ですか?

A. はい。無料相談では、カウンセリングとCT撮影までを費用なしで行っています。その場で治療を決めていただく必要はありません。

まとめ

  • 奥歯を1本失ったままにすると、隣の歯の倒れ込みや噛み合う歯の伸びなど、噛み合わせ全体に影響することがあります
  • 選択肢はインプラント・ブリッジ・部分入れ歯の3つ。今の費用と、10年後の歯の本数の両方で考えることをお勧めしています
  • 一番奥の歯はブリッジが難しく、状況によっては補わずに経過を見る選択肢もあります
  • 当院の費用は奥歯1本44万円(税込・自由診療)、診査・診断から装着までおおむね数か月〜半年、通院5〜7回程度が目安です

奥歯は、見えにくい分だけ後回しにされやすい場所です。すぐに治療を決める必要はありませんので、まずは今の状態を確かめるところから始めてみてください。

《出典》公益社団法人 日本口腔インプラント学会

八木 龍

監修:八木 龍

聖護院やぎ歯科・矯正歯科 院長

OSSTEM IMPLANT 公認ディレクター / 国際口腔インプラント学会 所属 / 抜歯即時埋入・審美領域のインプラントに対応 / 全国の歯科医師向けにインプラント講師

広島大学歯学部を卒業後、大阪市の歯科医院インプラントセンターで副院長を務め、2020年に聖護院やぎ歯科・矯正歯科を開院。抜歯即時埋入や審美領域の難症例を含むインプラント治療に取り組み、診査・診断にもとづいて、身体的・経済的なご負担に配慮した治療計画を大切にしています。

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