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インプラントを検討されている方から、費用と並んでよく聞かれるのが「痛くないですか」「怖くて踏み出せません」というお話です。手術という言葉が付くだけで身構えてしまうのは、自然なことだと思います。
先にお伝えすると、**手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。**麻酔がきちんと効いている状態で削ったり埋入したりする処置は、痛みとしてではなく圧迫感や振動として感じる方がほとんどです。痛みが出やすいのは、麻酔が切れたあとの数日間です。
この記事では、手術中と術後、それぞれの痛みの実際、当院が痛み・不安に対してどう配慮しているか、そして自由診療としての費用・期間・リスクまでを、京都・聖護院でインプラント治療を担当している立場からご説明します。
この記事のポイント
- 手術中は麻酔が効いているため、強い痛みとして感じることはほとんどありません
- 痛みのピークは麻酔が切れたあと、手術当日の夜から2〜3日目までです
- 当院は表面麻酔・局所麻酔を用い、麻酔が効いたことを確認してから処置に入ります
- 注射の痛みを減らすため、細い針・電動注射器・麻酔液の加温を用いています
- 処置中は、いま何をしているかを声に出してお伝えしながら進めます
- カウンセリングとCT撮影までは無料。その場で決めていただく必要はありません
- 骨造成を併用する場合や本数が多い場合は、腫れ・痛みがやや強く出る傾向があります
- 費用は1本44万円(税込・自由診療)、通院はおおむね5〜7回が目安です
結論:痛みの山は「手術中」ではなく「麻酔が切れたあと」です
インプラントの手術は、歯ぐきを開いて骨に穴をあけ、そこに人工歯根を埋め込む処置です。工程だけを聞くと痛そうに感じますが、処置そのものは表面麻酔と局所麻酔を効かせた状態で行うため、手術中に感じるのは押される感覚や振動音が中心で、鋭い痛みとして自覚することは多くありません。
痛みが出てくるのは、麻酔が切れる手術当日の夜からです。歯ぐきを切開・縫合した部分の炎症反応として、痛みや腫れが数日かけて出て、その後ゆっくり引いていきます。つまり「手術中が怖い」という不安と、「術後の痛みがどれくらい続くか」という不安は、分けて考える必要があります。

手術中の痛みの実際|麻酔でどこまで抑えられるか
手術前には、まず歯ぐきの表面に塗るタイプの麻酔(表面麻酔)を使い、そのあとに注射で効かせる局所麻酔を行います。表面麻酔をはさむことで、注射針が刺さる瞬間の痛みそのものを和らげます。
局所麻酔がしっかり効いた状態であれば、骨を削る音や器具の振動は伝わりますが、痛みとして自覚することはほとんどありません。手術の途中で痛みを感じた場合は、追加で麻酔を効かせながら進めます。「痛かったら我慢せず伝えてください」とお伝えしたうえで手術に入るようにしています。
一方で、麻酔の効き方には個人差があります。もともと歯科治療の麻酔が効きにくい体質の方や、炎症が強く残っている部位では、通常より麻酔量や時間の調整が必要になることがあります。この点は診査の段階でお話ししておくと、当日の対応がしやすくなります。
当院が手術前に必ずお伝えしていること
手術の流れ、麻酔の効かせ方、想定している所要時間を、事前にご説明してから手術に入ります。何をされているか分からない状態がいちばん不安を強くするため、いま何の処置をしているかをお声がけしながら進めるようにしています。強い不安がある場合は、遠慮なく事前にお申し出ください。
痛みをできるだけ抑えるために、当院がしていること
痛みの感じ方には個人差がありますし、「まったく痛くありません」とお約束することはできません。そのうえで、少しでも負担を軽くするために手順として決めていることがあります。
麻酔は、いきなり注射をしません。まず歯ぐきの表面に塗るタイプの麻酔を使い、針が入る瞬間の痛みを和らげてから局所麻酔を行います。そして、**麻酔が十分に効いていることを確認してから処置に入ります。**効き方には個人差があるため、待つ時間もその方に合わせます。処置の途中で痛みを感じられた場合は、その場で追加して効かせてから再開します。
注射そのものの痛みを減らすために、当院では次の3つを用いています。
| 工夫 | なぜ痛みが減るのか |
|---|---|
| 細い針を使う | 針が細いほど、刺さる瞬間の刺激が小さくなります |
| 電動注射器で注入する | 手で押すと圧が不安定になり、その圧が痛みになります。電動なら一定の速さでゆっくり入れられます |
| 麻酔液を体温に近づけて温める | 冷たい液が入ると、温度差そのものが刺激になります。温めることでその刺激を減らせます |
麻酔で痛いのは「針が刺さる瞬間」と「薬液が入るとき」の2つです。表面麻酔で前者を、細い針・電動注射器・加温で後者を抑える、という組み合わせで対応しています。
手術そのものの負担を減らす工夫もしています。CTのデータからサージカルガイドを作り、埋入する位置・角度・深さを事前に決めておくことで、当日の手探りをなくします。適応となる症例では、歯ぐきを大きく切開しないフラップレスでの手術に対応しています。切開が小さいほど、術後の腫れや痛みは軽くなる傾向があります。
術後は痛み止めをお出しします。痛みが出てから飲むより、麻酔が切れる前に飲み始めていただくほうが楽に過ごせますので、飲むタイミングも具体的にお伝えします。
なお、**当院では静脈内鎮静法や笑気吸入鎮静は行っておりません。**痛みへの対応は、表面麻酔と局所麻酔、そして手術の進め方の工夫の範囲で行っています。
「いま何をしているか」を伝えながら進めます
歯科治療の不安は、痛みそのものよりも「見えないところで何をされているか分からない」ことから来る部分が大きいと考えています。天井を見たまま、器具の音だけが聞こえている時間は、それだけで長く感じられます。
そのため当院では、手術の前に流れと所要時間をご説明したうえで、処置の最中もいま何をしているのか、あとどのくらいで終わるのかを声に出してお伝えしながら進めています。「これから麻酔をします」「いまは骨に穴をあけています」「あと10分ほどで終わります」といった具合です。
痛みや違和感があれば、いつでも手を挙げて知らせていただけるようお願いしています。我慢して黙っていただく必要はありません。合図があればすぐに手を止め、麻酔を追加するか、少し休憩を挟んでから再開します。
処置の内容そのものと同じくらい、この時間の過ごしやすさは大切だと考えています。
術後の痛み・腫れの経過|何日目がピークで、いつ落ち着くか
麻酔が切れたあとの痛みは、多くの場合、手術当日の夜から翌日、2日目あたりまでが強く、そこから徐々に和らいでいきます。腫れは痛みより少し遅れて出て、2〜3日目にピークを迎えることが一般的です。
| 経過 | 症状の目安 | 対処 |
|---|---|---|
| 手術当日 | 麻酔が切れたあとに鈍い痛みが出始める | 処方した鎮痛剤を服用する |
| 翌日〜2日目 | 痛み・腫れが強くなりやすい時期 | 患部を冷やしすぎない、うがいは控えめに |
| 3〜4日目 | 腫れがピークを越え、徐々に引き始める | 通常の食事に戻していく |
| 1週間前後 | 痛みはほぼ落ち着く | 抜糸・経過確認で来院 |
| それ以降 | 違和感が残る程度 | 骨との結合を待つ期間に入る |
処方する鎮痛剤・抗生剤を指示どおりに服用していただくことで、多くの方は日常生活に大きな支障なく過ごされています。ただし、痛みや腫れが5日目以降も強くなり続ける場合は、感染などのトラブルの可能性があるため、我慢せずにご連絡ください。
骨造成を併用する場合や本数が多い場合は、やや強く出る傾向があります
痛み・腫れの出方は、処置の範囲によって変わります。骨が足りず骨造成(GBR・サイナスリフトなど)を併用する場合や、一度に埋入する本数が多い場合は、通常の1本だけの埋入より腫れや違和感がやや強く、長く出る傾向があります。
喫煙をされる方、糖尿病など全身の状態によって治癒が遅れやすい方も、術後の経過が緩やかになることがあります。こうした要因は事前の問診でうかがい、当日の麻酔の当て方や術後の説明に反映しています。持病がある方の考え方はインプラントは何歳まで?持病があってもできる?でも詳しくご説明しています。

こんな場合は術後の経過をやや長めに見込んでください
骨造成を併用する場合、複数本を一度に埋入する場合、喫煙をされる場合、糖尿病など全身疾患のコントロールが不十分な場合は、腫れ・痛みの引きが緩やかになることがあります。診査の段階で、想定される経過を個別にお伝えします。
「怖くて踏み出せない」という気持ちへの向き合い方
痛みそのものより、「何をされるか分からない」ことへの不安のほうが大きいという方は少なくありません。当院では、CTでの診査結果をお見せしながら、どこにどう埋入する計画かを事前にご説明し、手術の当日も工程ごとにお声がけしながら進めています。
初めての方には、カウンセリングとCT撮影までを無料で受けていただけます。手術を決める前に、ご自身の骨の状態と治療計画を知っていただくためです。
無料相談でしていることは、次のとおりです。
- CTで撮影した画像を一緒に見ながら、骨がどこにどれだけあるかをご説明します
- 治療が可能かどうか、骨造成などの追加処置が必要かどうかをお伝えします
- 総額と通院回数、完了までの見通しを、その日のうちにお伝えします
- 手術の進め方、麻酔の効かせ方、術後の経過についてご説明します
- 他院の見積もりやCTデータをお持ちいただいての相談も承っています
**その場で決めていただく必要はありません。**見積もりはお持ち帰りいただけますし、ご家族と相談してからで構いません。当院から治療を急かすことはしていません。「怖い」という気持ちを抱えたまま手術の日を迎えるより、納得できるまで質問していただくほうが、結果として経過も良くなると考えています。
インプラント以外の方法が合っていると判断した場合は、その旨もお伝えします。
費用・期間・リスクについて(自由診療)
インプラント治療に関する費用・期間・通院回数・リスク
- 自由診療である旨:インプラントは公的医療保険が適用されない自由診療です
- 治療内容:診査・診断のうえで治療計画を作成し、表面麻酔・局所麻酔下で人工歯根を骨に埋入します。結合を確認したのち人工歯を装着します。骨が少ない場合は骨造成を併用することがあります
- 標準的な費用:1本44万円(税込)です。前歯など審美領域は、治療中に入れる仮歯の費用が加わるため50万円台となります。オールオン4(片顎を少数のインプラントで支える方法)は片顎300万円〜500万円(税込)です
- 治療期間・通院回数の目安:診査・診断から人工歯の装着までおおむね数か月〜半年、通院はおおむね5〜7回程度です。骨造成を併用する場合はおおむね4〜8か月、通院6〜9回程度になります
- 保証:10年以内は100%保証(再手術・代替治療の費用はいただきません)、11年目以降は30%の部分保証で、合わせて20年のロング保証です。半年に一度の定期メンテナンスの受診が条件です
- 主なリスク・副作用:手術後の痛み・腫れ・内出血、感染、インプラントが骨と結合しない場合があること、神経や周囲の組織に影響が及ぶ可能性、噛み合わせの不調、インプラント周囲炎による動揺や脱落。糖尿病などの全身疾患や喫煙は治癒に影響することがあります。骨や全身状態によっては適応外となる場合もあります
費用の内訳や医療費控除についてはインプラントの費用|1本の相場・内訳・追加費用・医療費控除、治療全体の流れはインプラント治療の流れ|通院5〜7回の中身と、期間が決まる理由でご説明しています。
よくある質問
Q. 手術中に痛みで動いてしまうことはありませんか?
A. 局所麻酔がしっかり効いた状態で行うため、痛みで動いてしまうケースはまれです。途中で痛みを感じた場合は、その場で麻酔を追加しながら進めます。
Q. 麻酔の注射自体が苦手です。何か対策はありますか?
A. 注射の前に表面麻酔を使い、針が刺さる瞬間の痛みを和らげています。さらに、細い針と電動注射器を使い、麻酔液は体温に近づけて温めてから注入しています。針の刺激・注入時の圧・温度差という、痛みの原因それぞれに対応する形です。それでも不安が強い場合は、事前にお伝えいただければ進め方を調整します。
Q. 痛み止めはいつまで飲めばいいですか?
A. 処方した鎮痛剤は、痛みが強い間は指示どおりに服用してください。多くの方は数日以内に服用の必要がなくなります。
Q. 腫れが引かず、逆に強くなってきました。連絡すべきですか?
A. 通常は3〜4日目をピークに引いていきますが、5日目以降も強くなり続ける場合や発熱をともなう場合は、感染などの可能性があるためすぐにご連絡ください。
Q. 手術の翌日は仕事を休んだほうがいいですか?
A. デスクワークであれば翌日から可能な方が多いですが、体力を使う仕事や、埋入本数・骨造成の有無によっては数日の余裕を見ていただくことをお勧めしています。
Q. 骨造成を併用すると痛みはどのくらい変わりますか?
A. 通常の1本のみの埋入より、腫れ・違和感がやや強く、長く出る傾向があります。診査の段階で、想定される経過を個別にお伝えします。
Q. 何歳くらいまで手術を受けられますか?
A. 年齢の上限は基本的にありません。持病のコントロール状況や全身状態を診査したうえで判断します。詳しくは診査でご説明します。
まとめ
- 手術中は麻酔が効いているため、強い痛みとして感じることはほとんどありません
- 痛みのピークは麻酔が切れたあと、手術当日の夜から2〜3日目までです
- 骨造成の併用や本数が多い場合、喫煙や持病がある場合は、経過がやや長くなる傾向があります
- 当院は表面麻酔・局所麻酔と、事前の説明・声かけで不安を減らす形で対応しています
- 費用は1本44万円(税込・自由診療)、通院はおおむね5〜7回が目安です
「痛そう」「怖い」という気持ちのまま治療を決める必要はありません。まずはカウンセリングとCT撮影(無料)で、ご自身の骨の状態と治療計画を知ることから始めていただければと思います。

監修:八木 龍
聖護院やぎ歯科・矯正歯科 院長
OSSTEM IMPLANT 公認ディレクター / 国際口腔インプラント学会 所属 / 抜歯即時埋入・審美領域のインプラントに対応 / 全国の歯科医師向けにインプラント講師
広島大学歯学部を卒業後、大阪市の歯科医院インプラントセンターで副院長を務め、2020年に聖護院やぎ歯科・矯正歯科を開院。抜歯即時埋入や審美領域の難症例を含むインプラント治療に取り組み、診査・診断にもとづいて、身体的・経済的なご負担に配慮した治療計画を大切にしています。




